取引コスト理論と組織デザイン

市場に代わる最もシンプルな組織は、ピア・グループである。ピア・グループとは仲間組織のことであり、上下の階層がなく、直接的な監督者もいない単純な平面的な組織となる。

ピア・グループが巨大化すると、メンバーは相互に他のメンバーの行動を十分把握できなくなり、統治制度としての相互監視システムや相互調整メカニズムが十分働かず、機会主義的行動が出現する。巨大化したピア・グループでは、資源は非効率に配分されることになる。この問題の解決のための一つの手段が単純階層組織である。単純階層組織では情報は1人の管理者から各メンバーに伝えられるため、情報伝達をめぐる取引コストは数学的に大幅に節約される。意思決定に必要な時間に関しても、ピア・グループよりも単純階層組織の方が短いので、情報をめぐる取引コストも節約される。

しかし組織が巨大化すると、管理者は限定合理的なので、1人の管理者によってすべてのメンバーを監視することが非常に難しくなる。メンバーの機会主義的行動が出現し、監視・調整するための組織内取引コストは極めて高くなる。組織内取引コストを削減するために、階層が2層以上ある多段階階層組織構造が新しいガバナンスとして展開される。この組織構造によって、組織メンバーはより効率的に管理され、組織内取引コストは削減されることになる。

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