蒸気船の発達による世界市場の一体化(2)

蒸気船での技術革新の進展  

1830年代の北大西洋航路における蒸気船と帆船の競争は、蒸気船の技術的発展に大きく寄与することになった。

技術的な困難を克服して外航航路に参入したのに続き、グレート・ウェスタン蒸気船会社によって1843年世界初の鉄製スクリュー船グレート・ブリテン号が建造された。コメット号(1812年)に始まる木造外輪船の時代から鉄製スクリュー船の時代への移行の端緒である。スクリュー船は従来の木造外輪船に比べて著しく経済的であった。また、鉄鋼船は木造船に比べて船体重量を約1/4削減することができ、鉄製船は浮力を減ずることなく木造船よりも多量の積み荷を積載可能であった。さらに鉄材の使用によって大型船の建造が可能となった。

外輪はその構造上重量が大きいだけでなく、容積も大きく船舶の重要部分を占めるために船腹の利用効率を著しく低下させ、外輪船では載貨重量によって外輪の推進効率が著しく減じられることがあった。スクリュー・プロペラがこれらの問題を解決して蒸気船の輸送能力を著しく高めた。ただし、スクリュー・プロペラは振動を生ずるために木造船には不向きで、鉄製船において初めて有効に利用されることができたのである。

こうした鉄製スクリュー船における便益にもかかわらずグレート・ウェスタン蒸気船会社は1846年に運航を停止した。アメリカ定期帆船に対しては鉄製スクリュー船で競争に十分対抗することが可能であり、ほかの2社の蒸気船よりも長く運航を続けていたが、郵便補助金を受けて運航されるキュナード・ラインの蒸気船との競争には対抗できなかった。

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