マネジメントは実践の行為

『 マネジャーの実像 』ヘンリー・ミンツバーグ

マネジャーはリーダーでもあり、リーダーはマネジャーでもあるべきなのだと、理解する必要がある。

マネジメントはサイエンスでもなければ、専門技術でもない。マネジメントは実践の行為であり、主として経験を通じて習得される。

サイエンスの目的は、研究を通じて体系的な知識を獲得すること。これは、マネジメントの目指すものとはまるで違う。マネジメントの目的は、組織の中でものごとを成し遂げる後押しをすることだ。もちろん、マネジメントをおこなう過程でサイエンスを活用しないわけではない。マネジャーはありとあらゆる知識を総動員しなければならない。それに、マネジャーがものごとを分析するうえでは、サイエンスにもとづく手法が欠かせない。

しかしマネジメントを成功させるには、サイエンス以上にアートの要素が必要だし、それにもましてクラフト(技)の要素が不可欠だ。アートは、直感を通じた洞察やビジョンを生み出す。クラフトは、経験を通じて学ぶことを可能にする。マネジャーが日々の業務を続けながら問題を解決するためには、この要素が欠かせない。

マネジメント(実践)は、アート(ビジョン。創造的発想)クラフト(経験。現実に即した学習)、サイエンス(分析。体系的データ)の三要素がそれぞれの頂点をなす三角形の中で行われるとみなせる。アートは、マネジメントに理念と一貫性を与える。クラフトは、目に見える経験にもとづいて、マネジメントを地に足のついたものにする。そしてサイエンスは、知識の体系的な分析を通じてマネジメントに秩序を生み出す。

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